< 北極の青空>
かくれんぼをしていた僕が
ひとりぽっちで家にかえり
ねむってしまったように
みんな どこかへ
かくれたまま大きくなって
人や光にまぎれているのだろう
レントゲンの僕のひび割れた頭のなかには
いまだに 白い
流氷が訪ねてくる
波のおだやかな浜に
猫が打ち上げられていた
その死骸に石を投げたり
石垣の蛇の尾をひっばって
腹をさいて海に捨てたり
酒に酔った僕が
けんかし
翌日真っ赤な眼で
つめたいものをかかえながら
僧侶のまねをして 念仏を唱え
道を訪ね歩いていたのは
僧侶ではない僕なのです
夕暮れのかくれんぼの
青空はうすく遠くつづいていて
冬には北極から
ペンギンがやってきて
いつまでも沈まない青空の下に
立っている
青空の下
遠足の新しいくつ
昨日の針のような酔いの父の怒鳴り声も
僕は気にとめてはいないのに
いまもペンギンが
僕の氷の上に立っている