<お盆>
故里の堅い布団から
山側へ寝返りをうって
祖母の初盆をむかえる
襖のむこうに南無阿弥陀仏と祖母がいる
祖母が嫁ぎ 鬼を生んだ
母も嫁いで 鬼を生んだ
たえまなく生き継がれてきた
鬼の家から
叩かれ 弾かれた祖母が
なにもなかった顔で
鬼の家に帰っている
蛇のぬけ殻のように
十代の私の服が残っている六畳をぬけ出して
涼しげに立つ
祖母の足もとへ私は寝返り
暑苦しい鬼の顔をみせる