<サラリーマン>
内面に向かっていくと
朝日も夕日も 僕から
遠いところでめぐっていた
目をやられた鳶は
もう僕のなかで
飛ぶこともなく
台所の水の臭いを
嗅ぎつづけ
肩から首にかけて
まったく動かない影を作っていた
僕は夜
水道の蛇口が気になって何度も点検しはじめた
僕はどうして 意味も無いのに
水の止まっている蛇口を締め歩るくのか
全力で1,000メートルを走った夢をみた
僕は疲れていたが それでも仕事のことが
気になって一睡もできなかった
ある日内面で
ものの意味が色褪せた 朝日も夕日も消えていった
僕は蛇口の水が他のどんなことよりも恐くなった
僕は一滴の耳鳴りを聞くようになった
僕は盲目の鳶のように動けずに
中傷を聞くばかりで
電車にも乗れなくなったりする
隣のサラリーマンです