<死>


僕の好きなシュペルヴィエルの
「動作」の馬は
膝をたてて
ゆっくりと
右に傾き ごろりと返った
という 布団に横になっての僕の想像
やがて蝿が見開いた彼の目の涙に集まる

二万世紀もの昔馬が経験した自然
知性の裏側にひそみ
静かに思慮深く
体内から湧いてくるもの
生を価値あるものにする


君は 命の大切さを知っているか
ユーカリの木の下に
ぐるりと もんどりうって
馬の白い腹毛がくずれて
風に引かれていく死というイメージ

50で死んだということは
50年 生きたということだ

何万世紀のかなたから
馬がすべてを知っている目をして
僕の横に浮かびあがってくる