< 白いYシャツ>


満ちた水が引きはじめたように
歪んだ欠陥だらけの自分があらわになり
不確かなものが確信にかわる
小学生の頃に無くした釣り針が
まだ田舎の漁船のロープに引っかかったままのような
憂鬱
鷹が首をかしげる
憂鬱を見抜いたようにまばたきもしない
いつも僕は人からそんな目で見られている

追いつめられた魚が跳ねる
水道の蛇口から
子供が水を飲んでいる
その横を
過敏性腸の男がアイロンのあたった
白いYシャツで出勤しはじめる