<鶴>


もう僕のコートの裏側には君が羽をひろげるだけのスペースはない
新聞 ボールペンに住所録 名刺に残業 クレジット使用明細書や
胃腸薬 バンドエイド 遅れた言い訳や子供の宿題なんかもはいっ
ていて 折りたたみ傘は右ポケットに 左にはタバコと時刻表 季節
によれば雪や氷 朝顔 ひまわりの種がはいっていることもあって
もう君の場所はないんだよ
だから僕の胸の隙間を 君がしなやかな羽根で風にのって通過して
いくとき
立っておれないほど 寂しくなるんだ