長年のあこがれていたアンコール遺跡への出発だ。遺跡はカンボジアという国にある。
成田空港に向うエクスプレスの中は、年末の旅に向う人々で混みあっていた。
向いの席に座った男性二人はどこへ行くんだろう。
ふっと手に持ったガイドブックを見ると、カンボジアだった。
「カンボジアなんていく人、あんまりいないんだろうな」と
男性二人はしゃべりながら、プノンペンのページを見つめている。
「私たちもだよ・・・」と言いたくなったけど、小心モノだから寝たフリをしてしまった。
カンボジアは長い内戦のため、観光には適さない時期がかなり長く続いてきた国だ。
100万人を超える人々が殺され、教育も奪われ、強制労働にあけくれた、
ポルポト支配下の暗黒時代に負った傷は大きい。
少しずつ平和を取り戻しつつある、今、
悲しい過去から立ち直ろうとするこの国の、再興への祈りを抱きつつ、
シェムリアップの空港に降り立った。
(2003年9月改訂版 UP) |